意匠撚糸(いしょうねんし)/変り糸 / 意匠撚糸(変り糸)の種類 / 参考意匠撚糸形状
意匠撚糸(いしょうねんし)/変り糸
● 糸は、原料によって絹糸、綿糸、毛糸などの区別があります。このほかに、紡績するときに2種類以上の繊維を混ぜ合わせて紡績した糸があり、混紡糸(こんぼうし)と呼んでいます。紡績するときに1種類の繊維で糸を作り、その後に他種類の糸とより合わせて作った糸を混撚糸(こんねんし)と呼びます。
●このほかキラキラと光る金糸・銀糸・ラメ糸や伸縮性の大きなゴム糸・弾性糸、毛虫のような毛羽をもつモール(別名シェニール)糸など用途によって多くの変化に富んだ糸が作られています。
●本来の糸からループが出ていたり、紡錘状の太さむらがあったりするこれらの糸を意匠撚糸(いしょうねんし)と呼びます。
●意匠撚糸(ファンシーヤーン/変り糸)は様々な種類があり、それらの特性や形状によって織物やニットの風合いやデザインに変化を与え新しいテクスチュア(特殊な表面効果)を生み出します。
●変り糸の種類は数が多く、ループヤーンやノットヤーン、スラブヤーンなど、表面形状が違うものや色や素材の組み合わせることで、作成出来る意匠撚糸の数は無限大となります。
意匠撚糸(変り糸)の種類
系 統
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名 称
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形 状
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もろ
撚り系 |
杢(もく)糸 | 同じ太さ、同じ長さの異種の糸を撚り合わせたもの |
ノット系
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ノットヤーン | 間断的に1つまたは2つ以上の玉を作ったもの |
ストレートヤーン | 間断的に長い節のあるもの | |
春雨 | 同じ太さで色の異なる2本の糸を交互に表面に出したもの | |
ループ系
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ループヤーン | 芯糸の上に、巻糸で連続的にループを表したもの |
リングヤーン | 小さなループが糸全体に均一に連続して表れたもの | |
カールヤーン | 強撚後ループを作り、互いに撚り合って角状になったもの | |
タムタムヤーン | ループヤーンのソフトなループ状の部分を引っかいて毛羽をたたせたもの | |
スパイラルヤーン | らせん状に糸を巻きつけたもの | |
カベ糸 | ||
スラブ系
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スラブヤーン | わた毛を撚り合わせて、紡錘状のやわらかい節を作ったもの |
ネップヤーン | 綿花などの小さな粒が不規則に入込んでいる糸 | |
両系
組合せ |
コンビネーションヤーン | 各系統の形状を間断的に組合せて作るもの |
その他
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モールヤーン | 撚り糸の間の短い毛羽を連続的に挟み込んだ糸 |
テープヤーン | 細いテープ状に織ったり編んだりした糸、生地をカットした糸 | |
スペースダイイングヤーン | 糸に複数の色の染料で段染したもの。かすり糸とも言う | |
カバーヤーン | 糸の周りに巻きつけて他の糸でカバーした糸 | |
金属糸 | ステンレスや銅を極細にした糸 | |
ギマ(擬麻) | レーヨンの原液に綿糸を浸漬させて2本~3本の綿糸を引き揃えて接着し、麻のような風合いにしたもの | |
その他 | 反射糸(光が当たると反射する糸)や蓄光糸(光を充電して暗闇で光る糸)など |
参考意匠撚糸形状
●ノットヤーン | |
●スパイラルヤーン | |
●杢(もく)糸 | |
●ループヤーン | |
●スラブヤーン | |
●カールヤーン |