ポリノジック

ポリノジックの歴史 / ポリノジックの特徴 / 利用用途 / 呼び方(デニール) / 製造方法 / 染色に関する事項

ポリノジックの歴史

ポリノジックもレーヨンと同じように木材パルプを使用して作られた再生繊維です。

繊維の断面は円形で緻密(ちみつ)です。これは、繊維の外層部と繊維の中心部の区別が無く、均一になってるからです。

ポリノジックは平均重合度が450以上の結晶化度の高いレーヨンを示し、湿潤強度を高めるため、レーヨンの製法を改良したものです。

ポリノジックはフィブリル構造で、繊維断面は均一は円形で緻密です。

繊維の外層部(スキン)と繊維の中心部の芯の部分(コア) の区別がなく均一となっているいます。

全体的に均一の分子構造を持っているため、弾性にすぐれ特性を示し、通常のレーヨンに比べ吸水性が低く、水中膨潤度が小さいなどの特徴から、寸法定性(洗濯、着用によって、寸法が伸びたり、縮んだりしない性質)も向上します。

絹のような光沢とドレープ性があるため、細番手糸や高級織物(ブロードクロスなど)、編物(ジャージなど)が得られます。

強いコシとハリがあり、耐アルカリ性です。

堅牢で鮮明な色相は染色性のよさからですが、親水性なので油汚れは容易に落ちます。

ポリノジックの特性

絹のような光沢があり、ドレープ性にも優れている

弾性に優れており、寸法安定性(洗濯や着用による)が非常によい

熱で軟化、溶融しない

染色堅牢度が高い

親水性なので油汚れがすぐに落ちる

洗濯による収縮や型くずれが少ない
   通常のレーヨンに比べ吸水性が低く、水中膨潤度が小さいため、収縮や型くずれが少ない。

混紡性がよい。
綿との混紡は肌着や夏用ウエア、ポリエステルの混紡は風合いが非常によい。

利用用途

ポリノジック単体では、ブラウスやワンピースなどの衣類に使用されています。

綿との混紡は肌着、夏用ウエアなどに使用されています。

ポリノジックとポリエステルとの混紡は、特に風合いのよさが特徴です。

呼び方(デニール)

ポリノジック(フィラメント糸)は0.05gで長さが450メートルあるものを1デニールとする。

デニールは、ポリノジックのほか、化合繊フィラメント(合成繊維全般)で使用されている。

フィラメント糸の定義として、連続した長い繊維(フィラメント)からなる糸で、太さが均一、毛羽立ちが少なく、平滑で光沢があり、ふくらみが少なく、冷たい感触となっている。

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製造方法

レーヨンと同じ”ビスコース法”によって製造されますが、ただし、アルカリ濃度、酸・塩濃度をそれぞれ低くし、凝固再生力の小さい紡糸浴を使用して、高度に延伸したあと再生します。

こうすることで、繊維の構造をじっくりと発達させ、ほつれや毛羽立ちが生じないようにします。

最後に紡糸浴にホルマリンを添加して、綿に近い性能を付与します。

染色に関する事項

セルロース系再生繊維はいずれも、綿と同様に染色することができますが、綿に比べ非晶領域が多いので、染色性は良好ですが、染色液中での膨潤が大きいため、毛羽立ちや伸び、しわの発生に注意を要します。

一般に用いられる染料

  • 反応性
  • 直接
  • バット
  • ナフトール
  • 硫化
  • 媒染
  • 塩基性
  • 顔料