変糸とは?
●変糸”は、意匠撚糸 – ファンシーヤーン解りやすく文字にしたものです。
ファンシーヤーンは、糸表面の形や色に変化をもたせた糸で、織物に表面感、風合い、装飾効果などの変化を与える為に使われます。紡績工程で作られる紡績ファンシー糸と撚糸機で作られる意匠撚糸もあります。
●もともと”Fancy”という英語名詞は、空想、幻想、趣味趣向、嗜好などの意味を持っており、そのYarn(糸)だから、「趣味趣向に富んだ夢のある糸」ということになり、日本語訳として「意匠撚糸」(いしょうねんし)と呼ばれています。
●意匠撚糸は、芯糸、飾り糸、押さえ糸で構成されますが、飾り糸を連続的に送り出して作るループ系(ブークレーヤーン)のものと芯糸を断続的に停止して飾り糸を巻き付けて作るノップ系(スレートヤーンなど)のものがあります。
●意匠撚糸すなわち意匠・デザインを凝らした糸であり、そのためにいくつかの撚糸技術を駆使し、中には糸染め技術も組み合わせながら、面白い表情を持った糸に仕立て上げたものがファンシーヤーンです。
●その意味では、Effect
yarn(エフェクトヤーン=いろんな効果を備えた糸)という方が正確かもしれませんが、何となく「夢」を感じさせる「Fancy
yarn」という名称の方がピッタリのようにも思えます。こうしたファンシーヤーンの形状変化”効果”は、横編外衣、すなわちセーターやカーディガンなどにより多く発揮されますが、ニットだけでなく織物分野にもファンシーヤーンは数多く用いられています。
●この意匠撚糸の種類にはその撚り方の工夫によってスラブ、ネップ、ループ、リング、ノット、モール、タム、テープ、抄繊糸などいくつかの形状変化を持つ糸が存在する。
●このほかにも、ストレート糸に近い感じのカベ撚り調子の糸も含まれます。
●つまり、双糸は単糸と反対方向に撚ることになり単糸の撚りが戻る状態になります。(※Z撚りの糸をさらにZ撚りにして双糸とした場合、撚りが加わる状態にあります)クレープなどに使う強撚糸はこのような特殊な撚りをします。
●糸の撚り数は糸の番手によって標準的な撚り数が決まっており、標準より撚り数を増やしたものは強撚糸となりドライなタッチが特徴です。また撚り回数を減らしたものは弱撚糸となり、ソフトなタッチが特徴です。強撚糸は織物に、弱撚糸はニット系に用いられます。