ポリエステル

ポリエステルの歴史 / ポリエステルの特徴 / 利用用途 / 呼び方(デニール) / 製造方法 / 染色に関する事項

ポリエステルの歴史

●ナイロンの発明者であるアメリカのカローザス博士が、いったんはポリエステル系の繊維をつくることに成功しましたが、この繊維は、融点、軟化点が低く、水に対する性質も悪いなど、多くの弱点があるため、途中であきらめてしまいました。

●ところがその後、イギリスのウインプイールドとディクソンによって研究が続けられ、1941年、ついに「ポリエステル」の誕生となり、その後順調に成長し続けていきます。

●日本では、1958年に登場したポリエステルは現在、国内の合成繊維生産量の約半分を占めており、世界的に見ても大変多く生産されている繊維です。

●ポリエステルはナイロンに次ぐ強度を持っており、磨耗に強く、耐久性があります。

●ポリエステルは紳士、婦人、子供服、ウエア、小物など全てのものに使用されてるだけではなく、寝具、インテリア、産業用資材として幅広く使用されているのが特徴です。

●婦人用服地として主にブラウスに使用されており、国内のブラウス生地の約40%はポリエステル製です。

●この他、ブラック・フォーマル、ドレス、スカートなどに使用されており、とくにブラック・フォーマル市場の約70%までをポリエステルが占めています。

●紳士用としてメンズ・スーツに使用されており、軽くて乾きやすく、折り目も取れにくく、丈夫で長持ちするなどのメリットがあります。

ポリエステルの特性

●強度・磨耗に非常に強い
他ナイロンに次ぐ強度の強さがあり、耐磨耗、耐久性に優れています。

●弾性力があり、ハリ、コシがある
衣類などの製品で着心地がよい。シワの回復力が良い。

●比熱、熱伝導率が小さい
羊毛などと高混紡しても風合い、機能性を損ねることがない。

●繊維自体の抵抗力が強い
油類、カビ、虫、細菌などに影響されず、耐薬品性がよい。

●耐熱性が高い
   ナイロン、アクリルと比べると耐熱性が高い。
240℃前後で軟化するため、これを利用して熱セットすることで伸び縮みや型崩れ、ゆがみなどを避けることが出来ます。

●吸湿性が低い
吸湿性が低いので濡れても乾きやすい。

●静電気を帯びやすい

●毛玉ができやすい

繊維の強度が高く又繊維長が長いため、毛玉になりやすく取れずらい

●染めにくい

利用用途

●ポリエステルは、混紡や撚り合せをすることで強度の高い糸を作ることができます。

●ポリエステル65%綿35%の混紡織物はワイシャツ、ユニフォームなどウォッシュ・アンド・ウェア性(繰り返しの洗濯)が求められる分野で大量に使われています。

●資源やゴミが問題になっている現在では、PETボトルを再生し、繊維にして、Tシャツなどの衣料品が作られています。

●カーペットやカーテンなどのインテリアや車両のシート生地、自動車のタイヤの強度を保持するためのタイヤコードなどに多く使用されています。

呼び方(デニール)

●ポリエステル(フィラメント糸)は0.05gで長さが450メートルあるものを1デニールとする。

●デニールは、ポリエステルのほか、化合繊フィラメント(合成繊維全般)で使用されている。

●フィラメント糸の定義として、連続した長い繊維(フィラメント)からなる糸で、太さが均一、毛羽立ちが少なく、平滑で光沢があり、ふくらみが少なく、冷たい感触となっている。

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製造方法

●ポリエステルの原料は、ナイロンと同じく石油です。

●ポリエステルはエステル結合をもつ高分子の総称ですが、繊維では主としてテレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールの縮合反応によって得られるポリエチレンテレフタレート(PET)を示し、水のように単純な分子を分離しながら結合を繰り返して高分子になる重縮合反応でにより高分子を合成します。

●開発当初は原料精製の容易さからテレフタル酸ジメチル(DMT)を原料とするエステル交換法が使われていましたが、テレフタル酸(TPA)の製造、精製技術が開発され、高純度のテレフタル酸が容易に得られるようになり、ポリエステル製造の主力はテレフタル酸を原料とする直接エステル化法になりました。

●工業的には、通常、TPA又はDMTとエチレングリコールを反応させ、ビスーβrヒドロキシエチレンテレフタレート(BHET)あるいはその低結合体として、引き続き高温真空下で脱水縮重合により高分子化させる2段階の工程で製造されます。合成されたポリエステル樹脂はチップにして乾燥します。

●ポリエステルは融点が260~265℃で、分解点が300℃以上なので溶融紡糸法により繊維状にします。ガラス転移点が69~80℃とナイロンより高いので80~100℃で3~5倍に熱延伸して、配向させ強度を増します。産業資材用の高強力糸を得るためには、固相重合で重合度を高め、更に多段階延伸法で延伸倍率を高めます。

染色に関する事項

● ポリエステルは緻密な構造の繊維で、一般に直接染料、酸性染料、カチオン染料などのイオン性染料に対する新和力がないため、分散染料の120~130℃の高温染色法を用います。

●染色性を改善するため、スルホン酸基を導入したカチオン可染ポリエステルもあります。

●一般に用いられる染料

  • カチオン
  • 直接
  • 酸性
  • 顕色性分散