素材の基礎知識

繊維の用途 / 衣料用繊維の種類 / 天然繊維 / 植物繊維 / 動物繊維 / 指定外繊維 / 化学繊維 / 再生繊維 / 半合成繊維 / 合成繊維

繊維の用途

現在の糸や繊維製品は一般の家庭から宇宙科学までさまざまな用途があり、もし繊維が無かったらこれほど産業は発達しなかったと言っても過言ではありません。

昔から使用している衣服やインテリアなど一般家庭のもから、工場などの廃水ろ過装置に使用しているフィルター、高圧ホースや車のタイヤの補強材、ヨットの帆また、消防服などの耐熱繊維、日本版スペースシャトルのHOPEのボディや国際宇宙ステーションのデブリス衝撃吸収のための外壁も耐熱繊維の織物で覆われています。

このように糸(繊維)と一口に言っても、数限りなく糸の種類はありますが、衣料関連の繊維は、基本的には4種類に分類されています。

もっとも一般に親しみのある綿やセーター、スーツなどに用いられる毛(ウール)、夏用のジャケットなどの麻、高級ブラウスなどの絹(シルク)など植物や動物から取れる自生繊維を天然繊維といいます。

ジャケットの裏地やブラウスに使用している絹に似た肌触りのレーヨンやキュプラなどは再生繊維といい、これらは木材パルプを使用してその中のセルロースなどを溶解し、繊維状に再生したものです。

アセテートやプロミックスはレーヨンやキュプラと使用用途としては同じですが、セルロースやガゼイン蛋白を化学的に改質や合成物と重合させた繊維を半合成繊維といいます。再生繊維と半合成繊維は基本的な部分は天然素材なので土の中に埋めておくと分解されて土に返ります。

ジャンパーやカバンなどに使用しているナイロンやポリエステル、アクリルなどは合成繊維といい、衣服以外にも工業用として色々と使用されています。

これらの繊維の一本一本は大変細く、強度も弱いためこのままだと使用出来ないのでこれを紡績工場や紡糸工場にて糸にして使用出来る状態にします。その糸を今度は織物や編物として使用することで生地となり、衣料品や工業用品として世の中に浸透しています。

工業糸として、カーボンファイバー(炭素繊維)やアラミド繊維、金属糸などが使用されています。レーシングカーやレジャー船舶のボディーの補強材として使用されたり、また、釣り竿や高速道路の橋脚補強材、環境関連装置など様々な所に使用されています。

衣料用繊維の種類

分類 繊維名 長  所 短  所






綿 丈夫、吸湿性が良い、熱に強い、染色、洗濯性が良い。 しわになりやすい。収縮しやすい。
強い、吸湿性光沢に富む。シャリ感、涼感がある。 硬く弾性に乏しい。しわになりやすい。均一に染めにくい。



弾性があり、かさ高、吸湿性が大、撥水性がある。しわになりにくい。 弱い。フェルト化する(縮む)、ピリング大。虫害を受ける。
しなやかで、ドレープ性がある。吸湿性に富む。優雅な光沢がある。 日光で黄変、劣化する。摩擦に弱い。染色堅牢度が低い。虫害を受ける。


テンセル 丈夫、吸湿性に富む。熱に強い。レーヨンより水に強い。ソフトでドレープ性がよい。染色性がよい。 染色時、バイオ加工による分繊処理が必要。収縮しやすい。






レーヨン 吸湿性が大きい。強い光沢、ドレープ性がよい。染色性がよい。 水に弱い。非常にしわになりやすい。収縮しやすい。
ポリノジック レーヨンより強度が大。アルカリに強い。 しわになりやすい。
キュプラ 細くてしなやか。穏やかな光沢、腰がある。吸湿性に富む。 多少収縮する。ややしわになりやすい。




アセテート ソフトで弾性に富む。光沢がある。しわになりにくい。熱可塑性がある。 弱い。吸湿性がやや低い。
トリアセテート 弾性に富む。耐熱性がよい。 アセテートよりやや硬い。吸湿性がやや低い。
プロミックス ふくらみのある暖かい風合い。シルクと似た光沢としなやかさがある。吸湿性がある。 繊細で扱いにやや注意。耐熱性がやや低い。



アクリル 軽くて、かさ高。弾性に富む。耐光性がよい。発色性がよい。 腰が弱い。ピリングしやすい。吸湿性が低い。
ポリエステル 強く腰がある。型崩れしにくい。熱可塑性に富む。 染めにくい。吸湿性が極めて低い。帯電しやすい。ピリングしやすい。
ナイロン 軽くて強い。伸びと弾性に富む。熱可塑性がある。染色性がよい。 日光で黄変や脆化、腰が弱い。
ビニロン 摩擦に強い。吸湿性がある。耐光性がある。耐薬品性がよい。 風合いが硬い。しわになりやすい。熱可塑性が不十分。
ポリウレタン 伸縮性と弾性が非常に大きい。老化しにくい。細い繊維が可能。 吸湿性が小。塩素系漂白剤で劣化。